エマーソン・レイク&パーマー

村上春樹1Q84の続き。
村上春樹の本では音楽が欠かせないが、今回も冒頭で、ヤナーチェックシンフォニエッタという曲が出てくる。この曲は世界が大きく変わろうとする時代の1926年に作られたということで、1984年に同様のことが起こるのを示唆するために、象徴的に、タクシーのラジオで流れる曲として使われたのだと思われる。私は、音楽は、クラシック以外は、何でも聞く主義なので、シンフォニエッタというクラシック曲はまったく知らない。ただ、興味があったので、近くの図書館で、早速このCDの貸出予約をしたが、同じ考えの人が多いのか、4人待ちで、今もまだ借りていない。ところで、1Q84で、天吾が高校時代にシンフォニエッタを演奏しただけなのに、青豆が、どこで、この曲を知ったのかは、いまだに謎である。高校時代に、何らかの接点があったかもしれないと思わせる。なお、暗闇のホテル室内での、青豆と「さきがけ」のリーダの会話は、カラマーゾフの兄弟での大審問官の部分を思わせる(あるいは、それを進めた)、1Q84の白眉と感じた。
読了後、とある掲示板で、高校の同級生から、エマーソン・レイク&パーマー(略してELP)のナイフエッジという曲は、ヤナーチェックシンフォニエッタが原曲ということを知って、驚いた。それなら、大変よく知っている。ELP(NSP(旧い)やELT(新しい)じゃないよ)は、いわゆるプログレッシブ・ロックというジャンルで、元キングクリムゾン、元ナイス、元アトミックルースターのメンバーでできたトリオで、当時スーパグループと呼ばれていた。そのデビューアルバムには、ナイフエッジや未開人、石をとれ、ラッキー・マンなどスリリングで良い曲が一杯だった。この1stは、その同級生から教えてもらい、一時相当聞いていたこともあった。また、今回、この1stの各曲は、すべてクラシックの曲を原曲としているらしいことを知り、2度びっくり。実に久しぶりに、10年前くらいに買った1stのCDを聞いた。この後、ターカス、展覧会の絵というアルバムを発表、この3枚目までは、才能がほとばしり、本当に素晴らしかった。ただし、えぜこでELPがかかることはないだろうな。

エマーソン、レイク&パーマー(K2HD/紙ジャケット仕様)

エマーソン、レイク&パーマー(K2HD/紙ジャケット仕様)