リチャード・ボナ(Richard Bona)のコンサートとロクア・カンザ(Lokua Kanza)のンコロ(Nkolo)


2011.1.21(金)のブルー・ノート東京でのRichard Bona 1st stageのセットリストは以下のとおり。
1.Teen Town, 2.Kalabancoro,
3.Please don't stop, 4.M'Bemba Mama,
5.Shiva Mantra, 6.African Cowboy, 
7.Dinalam, 8.O Sen Sen Sen,
9.Djombwe, 10.Te Dikalo,
ザ・テン・シェイヅ・オブ・ブルースからは3曲で、前回のコンサートより1曲(African cowboy)増えたのみ。いつもはDina Lam (Incantation)のようなしっとりした曲から始まるが、今回はBonaが師と仰ぐジャコ・パストリアスが在籍したウェリポのTeen Townというノリのある曲で始まった。演奏する曲はいつものおなじみのものが多いが、今回は自分の声による多重コーラスはなかった。1時間10分程度というあっというまの時間だったが、もう少し長いコンサートで多くの曲を聞きたいと思うのは無理なものだろうか?


ところで、2010年4月に出たコンゴ民主共和国出身のロクア・カンザ(Lokua Kanza)のンコロ(Nkolo)。じっくり聞ける芳醇な音楽。
1曲目の「光のガーデン」は、わずかな鳥の声とカンザ自身の親指ピアノで静かに始まる。途中、オンド・マルトというシンセサイザとピアノが必要最小限に入る程度のシンプルな音作り。カンザの娘もコーラスに入るが,印象的なコーラスのリフレインも素晴らしく、このようなアクースティックなアフリカの音もいいなと思ってしまう。
2曲目の「ディパノ」は後半のボーカルの盛り上げ方が素晴らしい。しっとりした「マペンド」に続いて、リンガラミュージック風で、声の掛け合いが刺激的な「ナコゾンガ」,5曲目の「家族」は50人の子供のコーラス隊が入るゆったりとした曲。タイトル曲の「神」はややブルージで幻想的な曲調、「ロイェンゲ」は、トト・ボナ・ロクア(本ブログの2009.5.31をご参照)を思い出させるコーラスの妙が良い、8曲目の「ソキ」からはブラジルのパーカッション楽器のクイーカの演奏が入り、軽いブラジリアンタッチの明るさが感じられる。9曲目の「見てみるよ」はしっとりしたバラード、10曲目の「人は太陽を望む」はアップテンポで始まり、ブラジリアンタッチの名曲。11曲目の「ヤロ」は、鳥のさえずりと親指ピアノのイントロで、オープニングに戻ったような錯覚に陥る静かな美しい曲。そして最後の「オー・ヤーウェ」で静かに終わる。ンコロは何回聞いてもじっくり作られた良質な音楽を感じるし、今後も大事に聞いていくだろう。

ンコロ

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