中村とうようさん

昨日7/22の朝、朝刊を読んでいたら、驚いたし、何度も読み直した。7/21の午前に亡くなられていた。久しぶりに更新した今月に、中村とうようさんの名前を書いたが、まさか・・・という思いは強い。知っている人は知っているが、知らない人は全く知らないという、有名な音楽評論家だった。その昔、ニューミュージックマガジン(現ミュージックマガジン)という雑誌を創刊し、ロックミュージック、ジャズ、ソウル、ブルース、ワールドミュージックなどクラシックミュージック以外は良いと思うものは何でも聞く人であった。音楽評論は、歯に衣着せないコメントで、低い点数をつけられたミュージシャンやそのファンには疎まれた存在だったと思う。しかし、本当に良いものは大いに評価するところが、良い作品だが・・と断った上で何かとケチをつける他の評論家と比べて素晴らしく、私の大好きなピーター・ゲイブリエル(Peter Gabriel)のSoに10点をつけられた時は感激した。中村とうようさんの薦めた音楽は私には良くマッチしていたのが多く、それをガイドにワールドミュージックを中心とする未知の音楽を聴いてきたので、感謝の気持ちに耐えない。
 私が学生のころは、民放FMでレコード紹介をやっておられて、ヴァン・モリスンのテュペロ・ハニーが紹介されていたことを思い出す。低音の美声だった。就職後、銀座の今はなきテクニクス銀座(コアビル)で行われていた、とうようず寄席という生のディスクジョッキーを見に行ったこともあるが(ストラングラーズなどを紹介していた)、精悍なお姿を思い出す。
 ご自分の膨大な音楽コレクションをどうするか、以前から悩まれていたが、武蔵野美大に寄贈することで決着した。このため、美大に近いマンションに移り、美大でのコレクションの整理などを精力的に続けられてきた。そして、この7月から、はれて武蔵野美大で「中村とうようコレクション展」として始まったばかりだった。http://mauml.musabi.ac.jp/museum/archives/205
 8月は事実上ほぼ休館のため、早いうちに行こうと思っていた矢先の訃報。最近はご自分のお墓も購入されていたが。ご冥福をお祈りします。写真は、とうようさんの若いときのもの(レコード・コレクター紳士録より)。偲びたい方は、とうようさんが好きだった花*花の「さよなら大好きな人」をかけてあげてください。

地球が回る音

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