サリフ・ケイタ(Salif Keita)の新作「タレ(Tale)」

話は古くなってしまうが、Peter Gabrielの「So」の25周年エディションのハイレゾ音源を聞くために、USB DAC(ディジタル・アナログ・コンバーター ONKYODAC-1000)を購入した。当初はネットワークプレーヤも考えたが、手持ちのCDの音源をNASなどに入れる際のリッピングの労力はiPodで大変だったので、CDをPCのソフトでリアルタイムにアップサンプリングし、これをUSB-DACを介し、アンプで聞くこととした。また、ソフトとしてはJ.River media Centerを購入した。
 肝心の「So」のハイレゾ音源は24bit 48KHzだった。CDの周波数帯域44.1KHzとほぼ同じで、ビット数のみ増えていて、ダイナミックレンジだけ良くなっているはずだが、新リマスタのCDと聴き比べても、残念ながら音の差はわからなかった。新リマスタのCDも十分良い音であるし、ハイレゾ音源ももちろん十分いい音である。でも、Soの音源が96KHz以上であれば違いは分かると思うので、48KHzは中途半端な気がして、残念ではある。
 他の昔のCDも、イコライザを工夫することで、かなりいい音になっている。最近は、昔のCDがどんな音になるのか、CDをとっかえひっかえ聞いている。特に、いまだリマスター化されていないスクリッティ・ポリティ(Scritti politti)の「キューピッド & サイケ 85 (Cupid & psyche 85) 」は良い音になった。もちろん、ハイレゾ音源並みにはならないが・・・。
 また、この1月には大島保克のソロコンサートに行った。大島の2005年の「島めぐり」は、オープニングの「かいされー」でのピアノを付加したシンプルな演奏と若々しい声に代表される素晴らしいアルバムだった。昨年出たアルバム「島渡る」では、来夏世(くなつゆ)が大変気に入っていたが、これを演奏してくれた時はうれしかったし、コンサートに行った甲斐があったというもの。
 ところで、サリフ・ケイタ(Salif Keita)の新作「タレ(Tale)」。昨年12月に輸入盤が出た時には入手が難しかったが、3月に国内で発売され、やっと聞けた。エレクトロニックサウンドを大幅に導入した本作の出来は賛否両論とのことだが、確かに1回聞いただけでは、あれ?と感じたが、何回か聞くうちに、自分としてはしっくり馴染んできた。オープニングの「Da」は魅力的なメロディと演奏で、引き込ませる。問題の2曲目はいきなりラッパーが登場し、驚いてしまうが、その後の女性コーラスでいつものアフリカらしさを取り戻す。7曲目の「 Natty」は、子供による歌が印象的で、名曲になるだろうし、タイトル曲の「Tale」もエレクトリックギターのリフが印象的な佳曲で、最後の「 Cherie S'En Va」は静謐な感じを抱かせる素晴らしい曲だ。 ほかにも、おなじみのサリフ・ファンク調の曲もあるし、サリフの声もはつらつとしている。いいアルバムだと思う。

タレ

タレ