ジャクソン・ブラウン(Jackson Browne)とリッケンバッカーの12弦ギター

今月のジャクソン・ブラウン(Jackson Browne)のライブ。ジャクソン・ブラウンは、デビュー時から「Hold out」までは良く聞いていた。その後、遠ざかっていたが、1996年の「ルッキング・イースト」や、その頃のライブ「ゴーイング・ホーム(Going Home)」(レーザディスク)は持っている。「Going Home」では、「Sky blue and black」「In the shape of heart」などのいい曲があったが、そのサウンドの要は、ギターのマーク・ゴールデンバーグだったと思う。マーク・ゴールデンバーグと言えば、クリトーンズというグループのリーダで、当時好きだった「ジャスティン」(シングル盤)を買ったこともある。また、昨年は「Late for the sky」の40周年ということで、そのハイレゾ版をHDTracksで購入するなど、時々思いだしたように聞くことがある。(なお、ハイレゾの音は以前のCDと変わらず、至って普通だった。)
今回のライブも、サウンドの要はギタリスト2人で、1人(ヴァル・マッカラム)はデレク・トラックスの風貌を思わせるが、マーク・ゴールデンバーグのサイドにいたらしい。もう一人のギタリスト(グレッグ・リーズ)は、ラップ・スティールギターやペダル・スティールギターなど何でも弾けるすごい人だった。ライブの個人的なハイライトは、新作の「スタンディング・イン・ザ・ブリーチ(Standing in the Breach)」のオープニングの「The Birds Of St. Marks」 だった。「Going Home」にも入っていたこの曲は今回のアルバムに収められたが、タイトルBirdsにあやかってか、アレンジもThe Byrds(ザ・バーズ)風となっている。グレッグ・リーズの弾くリッケンバッカーの12弦の音色や、2人のギターの掛け合いのサウンドはまさに快感。もっとも涙腺がゆるんだのは、「テイク・イット・イージー」から「泉の聖母 (Our Lady of the Well)」 に、アルバムのように移行した時。もっとも今聞きたかった曲はFor Everymanだが、結局ライブではやらなかった。

Standing in the Breach

Standing in the Breach