オリヴァー・ムトゥクジ(Oliver Mtukudzi)の「nhava」


祝 オリヴァー・ムトゥクジ来日。現地でもなかなかLiveを見られないというアフリカはジンバブエの大物オリヴァー・ムトゥクジがなんと、この夏に来日の運びとなった。通称トゥクと呼ばれているが、トゥクの歌と音楽の特長は、なんといっても非常にやさしいこと。声は、野太くハスキーだが、おおらかでもあり、男らしい。また、演奏スタイルは、親指ピアノでの演奏パートを、ギターに代えることが売りになっているが、そのメロディアスな音楽はトゥク・ミュージックと呼ばれていて、全般的にアクースティックで良質な音楽性を感じる。近年、息子を亡くされたということで気にはなっていたが、コンサートが日本であるというのは大変うれしい。新作ももうすこしでリリース。
トゥクのCDは6枚所有しているが、2005年の発売以来、愛聴しているのが「nhave」。これは、まずオープニングの「Ninipa 」が大変素晴らしい。トゥクの歌と曲、ピアノ、ドラムなどの演奏ももちろんだが、それに加えて、繰り返されるエレクトリックギターのフレーズがすばらしく、この1曲を延々とやってもらいたいと思うこともしばしば。永遠の名曲と思う。
 他にも佳曲が並ぶが、2曲目の「Izere Mhepo 」や9曲目の「Tiri Mubindu 」、12曲目の「Dzidziso」などでは、なんと、トゥクの咳(エヘーン)も入ってる。咳が入ってそれが音楽になっている曲ってあまりないように思う。8曲目の「Handiro Dambudziko」など随所で、いいギターのフレーズを奏でる。
 このアルバムは、その昔、喫茶「えぜこ」でもかかったことがある。その時にいたお客さんは幸運だったと(勝手に)思う。リラックスできるアルバムだが、決して軟弱ではない、いつの季節に聞いてもマッチするオールシーズン対応の名盤です。

Nhava

Nhava